相続や譲渡など、さまざまな理由で土地を所有しているものの、活用方法についてお悩みの方は多いのではないでしょうか。
特に土地を譲り受けた地主の場合、適切な土地活用の方法を見つけられず、譲渡された土地をそのままにしているケースもあります。
この記事では土地活用でお悩みの方向けに、デイサービスの土地活用を検討するための知識としてデイサービス事業者様が事業を運営するにあたるメリット・デメリット等を丁寧に解説していきます。
借上事業者様目線として参考にしていただければ幸いです。
株式会社タカオでは、土地の仲介や施設出店でさまざまな実績を重ねてきました。これまでの実績や経験をもとに分かりやすく解説するので、ぜひ最後まで記事をご覧いただき、適切な土地活用の方法を探りましょう。
デイサービスとは
デイサービスとは、高齢者が通所介護の施設(デイサービスセンターなど)に通って受けられるサービスを指します。
送迎のサービスがついている施設が多い点が特徴で、施設内では食事や入浴、レクリエーション、機能訓練などを行っています。
在宅介護では外出の機会が減ってしまう高齢者の方に向けて、気分のリフレッシュや引きこもりと認知症の予防を行うことが目的です。
デイサービスの需要
日本国内での高齢化が進むなか、令和4年度の厚生労働省「介護保険制度をめぐる最近の動向について」によると、要介護認定者は令和1年度末で669万人でした。
調査によると要介護認定者の数は20年間で2.6倍に増えており、65歳以上の高齢者数は2042年にピークを迎え、3,935万人になる見込みです。(2020年は3,619万人)
高齢者の増加により要介護者の数も増えると考えられることから、高齢者を持つ家族からの需要は今後も高まる可能性があります。
デイサービスの土地活用を行うメリット
デイサービスの土地活用を行うメリットを3点まとめました。
- 社会貢献できる
- 他の施設ほど立地を選ばない
- 安定した収入が期待できる
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
社会貢献できる
日本全体の高齢化が進むなかで、デイサービスや介護施設は社会で重要な役割を担っていくと考えられます。
デイサービスの経営は地域の高齢者の生活を支えたり、高齢になった両親の面倒を見る必要がある方の負担を和らげたりと、社会的に意義のある事業と言えるでしょう。
所有している土地の活用方法を検討している方にとって、デイサービス施設の経営は1つの選択肢となるのです。
他の施設ほど立地を選ばない
デイサービスは他の施設ほど立地の条件が厳しくないこともメリットと考えられます。デイサービスは郊外の閑静な土地でも経営できるケースがあり、アパートやマンションよりも条件が厳しくありません。
また、市街化調整区域などはそもそも住宅の建築許可が下りない場合もあります。しかしデイサービスのような介護施設であれば許可が下りるケースもあるのです。
安定した収入が期待できる
デイサービスで土地活用を行う場合、介護事業者へ土地と施設の賃貸を行うケースが一般的です。契約は長期で行うことも多く、安定して収益を得られる可能性があります。
今後の高齢者の増加やデイサービスをはじめとした介護施設の需要の高まりを考えると、安定した収益が期待できるでしょう。
デイサービスを経営するデメリット
デイサービスを経営するためには、注意しなければいけない点や、デメリットも存在します。
- 他の事業への転用が難しい
- 運営事業者の選定が必要
- 万が一の事故のリスクがある
それぞれについて解説していきます。
他の事業への転用が難しい
デイサービス施設は設備の設置基準に基づいた特有の間取りが必要です。そのためデイサービスの施設を、賃貸や店舗をはじめとした他の施設へ転用することは難しい点がデメリットになります。
土地・建物の転用を予定している場合は、デイサービスの経営が適切な選択肢でない可能性がありますので、注意が必要です。
ただし、介護事業者と長期にわたる契約を結ぶことができれば、大きなマイナスにはならないでしょう。
運営事業者の選定が必要
デイサービス施設を運営事業者に貸し出す場合、事業者の選定は注意深く行う必要があります。
契約は長期で行うため、運営事業者とトラブルがあった場合は、非常に厄介です。過去に介護トラブルがあった事業者を避けたり施設運営の実績を確認したりするなど、信頼できる事業者との契約を結ぶために、事業者選びは慎重に行わなければいけません。
万が一の事故のリスクがある
デイサービスでは、身体をうまく動かせない高齢者の方や障害のある方の介護を行うケースも多く存在します。そのため、デイサービスの運営の中で事故リスクについて、予め正しく理解しておく必要があります。
【考えられる事故リスク】
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施設職員がどんなに注意をしていても、事故が起こってしまう可能性はゼロとは言えません。
デイサービスに向いている土地
土地活用でデイサービスを考える際、どのような土地が向いているのかを解説します。
アクセスしやすい
ロードサイドの土地はデイサービスに適した立地と言えるでしょう。
デイサービスではスタッフが利用者の自宅へ送迎するため、ロードサイドの立地は有利です。たとえ駅からの距離が近くなくても、車やバスでのアクセスが良い立地であれば、より多くの人々が施設を利用する機会が増えるでしょう。
閑静な場所の土地
デイサービスを選択する際には、入居者にとっての住環境が重要な要素です。
デイサービスの利用者は通勤や通学、買い物などの活動を必要としません。このことから、福祉施設が駅近や都心部に位置していることは必ずしも重視されません。むしろ、豊かな自然と落ち着いた雰囲気を持つ地域が、福祉施設の立地として好まれるケースもあります。
ただしデイサービスのような入居を伴わない福祉施設では、利用者のアクセスの良さも求められます。そのため、福祉施設の設置を考える際には、土地の特性や施設の性質をよく理解することが重要です。
70坪以上ある土地
デイサービスを運営するには広さが70坪以上あれば安心でしょう。
入居者の居住スペースが必要となる有料老人ホームなどは、300坪以上の広さが必要となることもありますが、デイサービスは福祉施設の中でも比較的狭い土地で運営することができます。
そのため、あまり広くない土地の活用方法に迷っているときは、デイサービスは有力な候補となるのです。
具体的な土地活用のパターン
土地活用を行う際の具体的なパターンを3つ解説していきます。
土地を貸す
最も簡単な方法がデイサービスを行う事業者に土地だけを貸し出す方法です。
施設の建設や取り壊しは事業者に任せられる点が大きなメリットになります。
しかし、事業者は土地とデイサービス施設を所有者から一棟貸しで借りたいという場合も多いため、土地の借主の選択肢が狭まる可能性については理解しておきましょう。
土地を売る
介護事業者に限らず、土地をまるごと売却するのも土地活用の方法の1つです。
現在所有している土地の活用方法が定まっていない場合や、土地を手放してもよいと考えている場合、選択肢として土地の売却の検討もできるでしょう。
建物を建てて貸す
土地の所有者がデイサービス施設を建設し、施設を一棟丸ごと介護事業者に貸し出す方法です。一般的に相続などで手にした土地を介護事業として活用するには、介護事業者に貸し出す方法が一般的です。
この方法は建築費をはじめとした初期負担の金額が大きくなるため、まとまったお金が必要となります。ただし、契約を行った事業者から毎月売上が入るため、土地のみを貸し出すケースよりも高い収益性が見込まれます。
土地活用業者の選定ポイント
土地活用を進めていくうえで土地活用業者の選定は重要なポイントです。
業者選定のポイント
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収益を上げられるように、それぞれのポイントを抑えておきましょう。
ワンストップでサポートしてくれる
土地活用の業者選定の際には、ワンストップでサポートしてくれる会社がおすすめです。
営業・設計・施工管理だけでなく、資金調達や行政期間への申請も行ってくれるため、安心して土地活用を任せることができます。
介護事業は専門的な知識や経験がないと経営は難しいものです。各手続きを行ってくれる土地活用業者に依頼できれば、安心して土地活用を進められるでしょう。
専門性が高い
土地活用は複雑なプロセスがあり、土地の特性や法律、市場動向などの知識が必要です。
専門的な知識と経験を持つ土地活用業者は、適切な戦略を立て、効果的な土地活用を実現してくれます。
また土地活用にはさまざまなリスクが存在するため、専門性が高い業者はリスクを的確に判断し、適切な対策を講じることが可能です。
価格競争力がある
土地活用で収益をあげるためには、事業計画とコストのバランスが取れているかが重要になり、価格競争力のある業者の選択が必須になります。
どんなにいい建物や介護事業者を提案してくれる会社でも、実際の事業の収益性が悪ければ収益は上げられません。
費用対効果のバランスが取れている業者を選択することが、土地活用を成功させるためのポイントです。
デイサービス経営は土地活用に有効
高齢者の人口が増え続けるなか、デイサービスをはじめとする高齢者向け施設の需要は高まりつつあります。将来性を鑑みると、土地活用としてデイサービスの経営は有効な選択肢となるでしょう。
はじめての土地活用でデイサービスの経営を検討している方は、ぜひ土地活用のプロに一度ご相談ください。