土地活用で最大収益を手にするためには、どのような活用方法があるのかを事前に把握する必要があります。
そのうえで、自分の所有している土地にあった土地活用方法を選択しなければいけません。
この記事では収益を最大化させるためのコツや収益性の高い土地活用方法、業者選定のポイントなどをわかりやすく解説しています。
この記事を読めば、どのように土地活用の方法を選択すればよいかがわかります。収益を最大化するための方法を知ることができますので、ぜひ最後までご覧いただき自分の理想とする土地活用の理解を深めましょう。
土地活用の収益とは
土地活用の「収益」とは「収入」とは異なり、一般的には収入から経費を差し引いた「利益」に相当するものを指します。
マンション経営の場合、収益は家賃だけでなく礼金や敷地内の駐車場料金、敷金、保証金のうち返還する必要のない部分などが含まれます。経費には修繕費や管理委託費、損害保険料、借入の金利などが計上可能です。
不動産収入
不動産収入とは下記の項目から構成されています。
【不動産収入一覧】
|
不動産の貸付けから発生する収入は、所得税法において不動産収入に分類されています。個人で賃貸住宅や駐車場を経営している場合には、不動産収入が発生し不動産所得を得ていることになるのです。
ただし、退去の際に全部または一部を返還するような金銭(敷金・保証金)については、返還しない部分だけが不動産収入に加算されるため注意しましょう。
介護施設の経営では、建て貸しという方法を取るケースが多いです。建て貸しは土地を所有しているオーナーが建てた介護施設を、介護事業者に1棟まとめて貸す方法のことです。
介護施設は建て貸しすることで毎月決まった賃料がオーナーに入るため、施設内の空室状況や、施設利用者の増減に関係なく収益を得ることが可能です。
さらに介護施設の場合は障がい者手帳の所持者の増加や、高齢者人口(後期高齢者含む)が2040年まで増加傾向にあるため、立地によって空室リスクが高くなるアパート・マンション経営よりも安定した家賃収入が期待できます。
経費
不動産経営における経費とは、不動産所得を計算する際に、不動産収入から差し引くことができる費用のことをいいます。
【経費一覧】
|
上記の中で「減価償却費」については実際に支出はしてませんが、経費として計上できます。減価償却費とは資産は時間が経つにつれてその価値が減っていくという考え方で、建物や備品の固定資産の価値を分割して費用計上する会計処理の方法です。
建物の構造によって償却できる期間が異なるのでしっかりと把握しておきましょう。
所得
不動産所得とは収入から経費を引いたものになります。
【不動産所得の計算式】
|
一般的に不動産所得が20万円以上ある場合、確定申告が必要になります。本業収入がある方が不動産所得で赤字が生じた場合、その赤字の全部、または一部が給与所得の黒字と相殺が可能です。
キャッシュフロー
不動産の土地活用では、キャッシュフローが成功の鍵を握るといっても過言ではありません。
【キャッシュフローの計算式】
|
キャッシュフローに余裕があれば、大規模修繕などの支出の際にストックしてある不動産投資で得られた現金でまかなうことが可能です。
また不動産を売却するときは、対象の不動産のキャッシュフローが高いほど高値で売却できます。
つまりキャッシュフローが良い状態というのは、維持費の支払いやローン返済のために必要な手持ちの現金が十分にあり、資金繰りが上手に行われている状態といえるでしょう。
土地活用で収益性を高めるコツ
土地活用で収益性を高めるには3つのポイントがあります。
【3つのポイント】
|
収益性を高めるためには賃料単価をあげる工夫だけでなく、建築のコストを抑えてキャッシュフローを高める必要があります。
賃料単価の高い事業
収益性を高めるには賃料単価をあげることが重要なポイントです。賃料単価を高くするためには、近隣の同じ土地活用の物件と差別化を行い、設備等で付加価値をつけることが効果的です。
また、土地活用を成功させるには、費用対効果を高くする必要があります。
投資金額が多くても、キャッシュフローが高ければその事業は成功する可能性が大きくなるでしょう。逆に投資金額が少なくても、キャッシュフローが低い事業は収益力が乏しく、事業継続が難しくなるリスクが高くなるため注意が必要です。
費用対効果のバランスをしっかりと確認するようにしましょう。
安定収入が見込める事業
土地活用は基本的に長期で運用を行う事業のため、安定的に収益を上げる必要があります。
建築時に収益性が高かったとしても、将来に渡り安定的に収益が見込めない事業は結果的に損をする可能性が高くなるでしょう。同じ不動産事業でも「店舗・テナント」と「アパート・マンション」では事業性や経営リスクなどが異なります。
その土地にあった活用方法を選択することが、安定収入を得るためのポイントになります。
建築コストを抑える
収益性を高めるためには建築コストを抑えることも重要なポイントです。建築コストを抑えることで、キャッシュフローにゆとりを持たせることができます。
ただし安すぎる建築コストで提案をしてくる会社は、打ち合わせしていた製品が入っていないことや、数年で欠陥が出る可能性もあるため注意が必要です。
また、契約時は金額が安かったとしても、打ち合わせを進めていくなかでオプション等の価格がどんどん上がるケースも出てきます。
始めようとする事業での適切な建築コストを見極めることも必要です。
収益性の高い土地活用方法
収益性の高い土地活用方法の指標として、利回りで収益性を判断することが一般的です。利回りとは投資したお金に対して、どれくらいの利益が手に入るかを示す数値になります。
【2つの利回り計算】
|
表面利回りが高くても、経費が多くかかりキャッシュフローが悪ければ意味がありません。どのような経費がかかるのかや、実際のキャッシュフローがどの程度になるのかを把握することが大事なポイントです。
【収益性の高い土地活用方法一覧】
|
詳しく解説します。
駐車場
駐車場には「月極駐車場」と「コインパーキング」の2種類があり、どちらかの選択が可能です。
月極駐車場とは1か月単位で貸す駐車場で、毎月1か月分の賃料が支払われます。コインパーキングは精算機と車両を止めるロック板を活用し、無人で経営できる駐車場です。
利用者が多いエリアであれば一般的にはコインパーキングの方が売上が多くなります。ただし、コインパーキングは専用機器の設置などの投資も必要な点には注意しましょう。
どちらの運用が適しているかを、エリアの特性などから見極めることが重要なポイントです。
アパート・マンション
アパート・マンション経営は所有している土地に建築し、入居者から賃料収入を得る土地活用方法になります。
ミドルリスク・ミドルリターンと言われ、不動産投資初心者の方におすすめの投資方法です。
そのエリアの特性を把握し、需要のある物件の建築ができれば長期的に安定経営を進めることが可能になります。
ただしアパート・マンション経営には「空室リスク」「金利上昇リスク」「災害リスク」などもあるため、リスクを減らす方法についても事前に確認しておきましょう。
店舗・テナント
店舗・テナントの経営はアパート・マンション経営に比べて、賃料が高く収益性が高いことがメリットになります。
内装などの造作をする前のスケルトン状態で貸し出し、退去時にはテナントの負担で元の状態にして返す形が一般的なので、原状回復費用がかからないのも魅力の一つです。
しかし居住用のアパート・マンションに比べて景気に左右されやすく、空室リスクが高いので注意が必要です。
福祉施設
福祉施設には老人ホームや障がい者施設、デイサービス、サービス付き高齢者住宅、保育所などさまざまな種類があります。
福祉施設の最大のメリットは駅から離れているような立地でも、駐車場が併設できる土地の広さがあれば経営できるという点です。
また、福祉施設は介護事業者に賃貸して経営する方法が一般的なので、運営を任せられ空室リスクなどの運営上のリスクを軽減できるのが特徴です。
土地活用のメリット
土地活用にはさまざまなメリットがあります。
【土地活用のメリット】
|
老後の公的年金や私的年金の上乗せとなる収入を得られ、相続時の納税資金の準備をすることも可能です。
また、土地に建物を建築することで、土地の評価を下げ節税対策にも繋がります。
収入を得られる
土地活用をすることで、安定した不動産収入を得ることが可能です。
老後の公的年金や私的年金の上乗せとなる収入を得られ、相続人が相続税を納付する資金も準備できます。
安定した不動産収入を得ることで、教育資金を捻出でき、ゆとりある老後生活が送ることができるでしょう。
相続対策ができる
相続税は、現金や有価証券、土地などのすべての財産を合算して基礎控除額を超えた部分の財産に対して税金が発生します。そのため基礎控除分を超える資産を所有しており、かつ相続税を抑えたいと考えている場合は、事前の対策が必須です。
【基礎控除額の計算式】
|
土地活用をすると、土地の評価額を圧縮して相続税の負担を軽減できます。
例えば、アパートを建築した場合では下記の相続税の評価減を受けられます。
・貸家建付地・・自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
例)自用地評価額と貸家建付地の評価の違い(入居率100%の場合)
|
・小規模宅地の特例・・200㎡まで50%の評価減
例)土地:200㎡ 相続税評価額:5,000万円 貸付事業用宅地(APでの活用)
|
また、相続税は原則現金で納付する必要があります。土地を有効活用して生前にキャッシュを得ることも、重要な相続税対策です。
節税対策ができる
土地活用は節税対策にも有効です。
【3つの節税対策】
|
不動産を所有している人には、毎年必ず固定資産税がかかりますが、建物を建築することで土地の固定資産税を抑えることが可能です。
土地の上に建物があれば、固定資産税は住宅用地で住宅1戸について200㎡までの部分が最大6分の1に減額され、節税効果は高くなります。都市計画税は土地の上に建物を建築することで、更地評価の最大3分の1に減額されます。
所得税については土地活用で発生するローンの返済や物件の管理費用、減価償却費などを活用することで節税が可能です。減価償却費は必要経費として計上できますが、実際はお金を支出していないため、経費をうまく活用すれば所得税を抑えられるケースも出てきます。
土地活用を進める際の注意点
土地活用を進める際には目的を明確にする必要があります。
目的が明確になっていなければ、取り組もうとしている土地活用方法が、自分にとって正解なのかが判断できなくなるからです。
そのためには、基礎知識を身に付けたうえで現状の問題点を把握し将来に向けて、どのように対策すれば良いかを把握することが大切です。
収益性を高くするための業者選定
土地活用を進めていくうえで、業者選定は重要なポイントになります。
【業者選定のポイント3選】
|
詳しく解説します。
ワンストップでサポート
業者選定の際には、ワンストップでサポートしてくれる会社がおすすめです。
営業・設計・施工管理だけでなく、資金調達や行政期間への申請も行ってくれるため、安心して土地活用を任せることができます。
土地活用の流れが把握できるよう、全体のスケジュールを作成してもらうようにしましょう。
専門性
土地活用は複雑なプロセスがあり、土地の特性や法律、市場動向などの知識が必要です。
専門的な知識と経験を持つ業者は、適切な戦略を立て、効果的な土地活用を実現できます。
また土地活用にはさまざまなリスクが存在するため、専門性がある業者はリスクを的確に判断し、適切な対策を講じることが可能です。
価格競争力
土地活用はその計画の事業性とコストのバランスが取れているかが重要になり、価格競争力のある業者の選択が必須になります。
どんなにいい建物を提案してくれる会社でも、事業の収益性が悪ければ土地活用の意味がありません。
費用対効果のバランスが取れている業者を選択することが、土地活用を成功させるためのポイントです。
まとめ
今回は土地活用で収益を最大化させる方法について解説しました。
土地活用で収益を高めるためには、建築コストを抑えながら高賃料で安定収入が見込める事業を選択する必要があります。アパート・マンションや店舗・テナント、福祉施設は収益性の高い土地活用方法になりますので、それぞれの特徴を把握しておくことが収益を得るために重要なポイントです。
土地活用には複数のメリットがあるため、自身の目的についてもしっかりと把握しておきましょう。
土地活用にお悩みの方は、土地活用のプロである「タカオ」にぜひご相談ください。