「老人ホームの経営は儲かるのか知りたい」という疑問をお持ちの経営者の方も多いのではないでしょうか。
日本は今後ますます高齢化が進展することが見込まれており、老人ホームをはじめとした高齢者向けサービスの需要が高まることが予測されています。
しかし、近年は介護事業に参入する事業者が増えています。老人ホームの経営で儲けるためには、綿密な事業計画の立案が欠かせません。
こちらの記事では、老人ホームの経営が儲かる理由や、儲かるためのコツなどを解説していきます。
老人ホーム経営は儲かる?
老人ホーム経営で儲けるためには、綿密な事業計画を立て、介護サービスの将来性に関する見通しを立てることが欠かせません。
- 事業を計画している地域で老人ホームの需要は十分にあるか
- 市場調査は十分に行ったか
- 優れたスタッフを雇用して高品質なサービスを提供できるか
- スタッフの満足度を高めるための福利厚生を整備できるか
- スタッフの給与や施設の維持費などの経営費用を適切に管理できているか
- 競合に負けないようなマーケティングとブランディングはできているか
介護事業の運営で儲かるかどうかは、上記のような事業計画をきちんと立てているかどうかが非常に大切です。
きちんと事業計画を立てて十分な財務基盤を築けているのであれば、老人ホームの経営で儲かる可能性は高いでしょう。
老人ホーム経営の収益項目・収入源
老人ホームの運営では、主に施設利用者の施設利用料や入居時の一時金、介護サービスを提供したときの「介護報酬」が収益源となります。
- 老人ホームの利用者が払う施設利用料
- 敷金や礼金などの入居時の一時金
- 追加サービスの費用(個別のリハビリテーションや個室利用などのオプション)
- 助成金や補助金
- 介護報酬
老人ホームの運営に必要なコストを分析したうえで、施設利用者に多額の経済的負担を強いないような料金設定を行うことが重要です。
料金相場などを確認し、競合他社と差別化するための追加サービスなどを用意しつつ、多くの利用者を確保できるようにしましょう。
老人ホーム経営のコスト
老人ホームの経営では、下記のようにさまざまなコストが発生します。
人件費 | 介護スタッフや看護師、調理・清掃スタッフ、清掃スタッフなどの人件費 |
施設運営費 | 水道光熱費、修繕費・メンテナンス費用など施設を運営するための日々の費用 |
食費 | 食材の購入費用や調理に関わる費用 |
医療・介護用品費用 | 入居者の医療や介護に必要な備品の費用 |
広告費 | 新規入居者を獲得するための広告やマーケティング費用 |
税金 | 法人税など |
事業の運営ではコストカットの意識を持つことが非常に重要ですが、コストを削減しすぎてサービスの質が落ちるのは問題です。
また、人件費を削減しようとすると労働環境が悪くなってしまい、労働力を確保できなくなる可能性もあります。
さまざまな要素を勘案しながら、適切なコスト管理を行うことが重要といえるでしょう。
老人ホーム経営で儲けるコツ
老人ホーム経営で儲けるコツを知り、実践することで健全な事業運営が可能となります。
以下で解説する、老人ホーム経営で儲けるためのコツを意識してみてください。
需要の高い立地で施設を運営する
老人ホームの需要が見込まれる立地を選ぶことが重要です。
- 高齢者人口が多い、今後も増加が見込まれる
- 競合施設が少ない
- 医療機関が近くにあり安心できる
- 近隣にスーパーなどがあり生活しやすい
- 交通の利便性が高く家族が訪問しやすい
- 自然環境が豊か
老人ホームの需要が高い地域やエリアに施設を作ることで、安定的に収益を上げることができます。
利用者の満足度を高めて地域やエリアでの信頼をつかめば、収益が安定して儲かる可能性も高くなるでしょう。
人材を確保して魅力的な施設運営を行う
老人ホームを運営するうえでは、人材の確保も重要です。特に、介護業界は慢性的な人手不足に陥っていることから、魅力的な施設運営を行うためには優れた人材の確保が欠かせません。
十分な給与と福利厚生などの制度を整備し、長期的なキャリアパスを提示してスタッフが前向きな気持ちで働けるようにしましょう。
また、十分な人材を確保できれば一人当たりの業務量が軽減され、休みやすい職場環境を整えることができます。
スタッフのワークライフバランスを実現できれば職場定着率も高まり、優秀な人材を確保しやすくなります。
魅力的なサービスを提供する
老人ホームの入居者の満足度を高めるために、魅力的なサービスを提供することも欠かせません。
入居者一人ひとりのニーズに対応したきめ細かいサービスや、入居者の身体的・精神的健康を維持するための活動プログラムなどを通じて、利用者満足度を高めることが大切です。
施設の安全と快適さを追求しつつ、利用者・家族・スタッフが継続的なコミュニケーションをとることで、サービスの質を高めつつ信頼関係を築くことができるでしょう。
どんな種類の老人ホームにするのか見極める
老人ホームには「介護付有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」の3種類があります。
老人ホームの種類ごとに対象としている高齢者が異なるため、需要の高いサービスを分析して、最もマッチする老人ホームを開所することが大切です。
土地活用など専門家の意見を仰ぐ
老人ホームの需要が高い土地を選ぶ際には、土地活用の専門家の意見を仰ぐことも効果的です。
特に、地域に根付いている土地活用業者は地域の特性や人口分布などの情報に精通しており、需要の高いサービスを的確に分析してくれます。
需要のあるサービスを提供できる老人ホームを開所すれば、収益が安定して効率よく設けることが可能となります。
「タカオ」には土地活用の専門家が多く在籍しているため、介護施設の立地選びで悩んでいる方は相談してみてはいかがでしょうか。
老人ホームの種類
老人ホームには「介護付有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」の3種類があります。
以下で、それぞれの老人ホームの特徴などを解説していきます。
介護付有料老人ホーム
介護付有料老人ホームとは、介護サービスの提供を行う老人ホームで、基本的に要支援・要介護状態の方を受け入れています。
居住している高齢者が、一部または全ての生活支援と介護サービスを受けながら生活できるようにサービスを提供します。
基本的には、24時間体制で介護スタッフが配置されているため、食事や入浴などの介助を受けることが可能です。
さらに、リハビリテーションサービスやレクリエーションなども提供しているため、幅広い介護サービスを提供する点が大きな特徴と言えるでしょう。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、自立状態の方から要支援・要介護の方などさまざまな高齢者を受け入れている老人ホームです。
基本的な生活は自分で行いつつ、介護が必要な場合は訪問介護や通所介護などの外部サービスを適宜利用する点が特徴です。
介護サービスを受ける場合は、老人ホームとは別の訪問介護事業所と契約をして、必要なサービスを自分で決定します。
健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは、自立した生活を送れる高齢者を対象にした老人ホームです。
自立して生活できる方を対象としているため、もし入居後に要介護状態になったら、入居者には退去してもらう必要があります。
食事などの基本的な生活サポートは提供するため、自宅での家事が十分にできない高齢者や一人暮らしに抵抗がある高齢者から利用されるケースが多いです。
生活を送るためのプログラムやレクリエーション、さまざまなコミュニティ活動を通じて、入居者の健康維持に重点を置いている点が大きな特徴です。
老人ホーム経営のメリット
老人ホームの経営には、さまざまなメリットがあります。
下記で解説するメリットを踏まえつつ、入居者の需要を満たせるように工夫することで、老人ホーム経営で儲けることができます。
高齢化の進展で需要が高まる
高齢化の進展にともなって、老人ホームをはじめとする介護施設の需要は増加します。
需要が高まれば多くの入居者・利用者が見込まれるため、長期にわたって収益を上げ続けることができるでしょう。
また、多くの利用者を迎え入れ、評判や口コミが高まれば利用者が増える好循環を生み出すことができます。
収益性が高い
老人ホームの経営は収益性が高いメリットがあります。
入居者がいる限り定期的な収入を得ることができ、新しい入居者を迎え入れるたびに一時金という形で収入を得ることもできます。
集客を行い、空室や空床リスクを減らすことで収益性がより高まるため、一定の収益性を維持できるでしょう。
また、高齢者のライフスタイルに応じたサービスを提供し、多様なサービスを通じて付加価値を高めることも、収益性を高める効果があります。
助成金・補助金を利用しやすい
老人ホームの経営にあたって、利用できる助成金・補助金は多くあります。
公的な助成金や補助金は、融資とは異なり返済義務がないお金です。
つまり、助成金や補助金を活用すれば運営費用を補うことができ、事業の収益性を向上させる効果が期待できます。
介護施設が利用できる助成金や補助に関しては、別記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
▼介護施設を開業するときに利用できる助成金!有効活用して資金繰りを楽にしよう
https://www.takao-net.jp/media/2017/
老人ホーム経営のデメリット
老人ホームの経営は、高い需要が見込まれるなどのメリットがある一方でデメリットも存在します。
メリットだけでなく、デメリットについてもきちんと把握することで、儲かる老人ホーム経営が実現できるでしょう。
介護事業者が増えている
厚生労働省の資料によると、介護事業者数は右肩上がりで増え続けています。
高齢化によって介護施設のニーズが高まるということで、多くの経営者が介護施設の運営に乗り出していることがわかるでしょう。
介護事業者が増えるということは、競争が激化して思うように老人ホームの入居者を確保できないリスクが高まることを意味します。
そのため、競合他社と差別化して質の高いサービスを提供する重要性が高まっています。
人材確保で苦労する可能性がある
介護業界は慢性的な人手不足に陥っており、人材確保で苦労する可能性にも留意しましょう。
出典:厚生労働省
厚生労働省の資料においても、介護サービスの職業は有効求人倍率が高く、多くの事業者が人材難に陥っていることがわかります。
老人ホームの利用者だけでなく、スタッフの満足度を高めることも、円滑な老人ホーム経営を行う上で重要です。
退去リスク・空床リスクがある
老人ホームの運営では、退去リスク・空床リスクが常に伴います。
施設のサービスが合わなかったときやスタッフの対応に不満があると、せっかく入居した人が違う施設に移ってしまうでしょう。
また、高齢者の健康状態が変化して退去を余儀なくされたときも、空室リスクは起こりえます。
退去リスク・空床リスクを軽減するためには、リハビリテーションサービスや医療サポートなど、広範なニーズに対応するサービスを提供できるようにすることが効果的です。
まとめ:老人ホーム運営は、工夫次第で儲かるチャンスあり
老人ホームは高い需要が見込まれるため、老人ホーム運営は長期的にも儲かるチャンスがあります。
高齢者のニーズをきちんと把握して、さまざまなサービスを提供することで、安定して入居者を確保できるでしょう。
また、老人ホームの経営で儲けるためには、需要の高い立地を選ぶことも大切です。
「タカオ」には土地活用の相談実績が豊富にあるため、老人ホームの運営を検討中の方は、お気軽にご相談ください。