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介護施設を設計する際のポイントや注意すべき点を徹底解説

介護施設を設計する際のポイントや注意すべき点を徹底解説


現在は高齢化が進んでおり、介護施設の需要が増えています。
将来性のある介護施設建設を計画している方は、具体的な設計方法を知りたいのではないでしょうか。

この記事では、介護施設を設計する際のポイントと注意点を解説しています。
介護施設の設計事務所を選ぶ際のポイントも併せて紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

介護施設の特徴

そもそも、介護施設にはどのような特徴があるのでしょうか?
介護施設の特徴を理解しておくことで、設計時のヒントになります。
●建物の立地
●建物の規模
●建物の設備
3つの視点からお伝えします。

建物の立地

一般住宅の場合は、交通の便が良く、近くにスーパーや商業施設がある立地が好まれます。
介護施設の場合は車で送迎を行うため、アクセスの良さはそこまで重視されません。
どちらかというと、人通りや車通りが少なく、静かで安全な場所が適しています。
一方、駅から離れた場所に建設すると、必然的にスタッフや利用者家族は車で施設を訪れることになります。
そのため、施設規模に合わせた駐車場を完備しておく必要があるでしょう。

建物の規模

介護施設の設計では、建築基準法だけではなく、施設ごとに定められた設備基準を満たさなければいけません。
例えば、デイサービスやデイケア施設の場合は、食事や機能訓練をする場所の合計面積が1人あたり3㎡以上と定められています。
また、坪数の目安は利用定員数の2倍です。
定員10名の場合は20坪、定員30名であれば60坪の広さを確保しましょう。

建物の設備

介護施設を設計する際は、設備基準にも注意が必要です。
介護施設には、食堂や機能訓練室、相談室などさまざまな設備がありますが、施設規模や種類により細かいルールが定められています。
設備基準は、施設ごとに異なりますので、事前に確認しておきましょう。

介護施設の種類

ここからは、介護施設の種類をお伝えします。
それぞれの施設の特徴を理解して、どのような介護施設を設計しようか検討する際の参考にしてください。
種類特徴
特別養護老人ホーム
・原則65歳以上かつ要介護3以上の方が入居する老人ホーム。
・要介護1〜2の方が入居する際は、自治体からの特別な許可が必要。
・介護保険を利用し、食事や排泄などの身体介助や健康管理、機能訓練をする施設。
・「終の棲家」として人気があり、入所まで数か月から10年程度の期間を要することもある。
介護付き有料老人ホーム
・特定施設入居者生活介護の指定を受けた民間施設。
・食事提供や生活相談、安否確認を実施。
・定額で身体介助や生活援助、機能訓練のサービスを受けられる。
・介護職員が24時間常駐。
住宅型有料老人ホーム
・自立〜軽度要介護の方まで幅広く利用可能。
・レクリエーションやイベントが充実しており、入居者同士の交流が盛ん。
・自分に合った介護サービスを、その都度利用できることが魅力。
健康型有料老人ホーム
・介護の必要がなく自立している高齢者が利用可能。
・食事提供や居室清掃、洗濯などの生活支援を行う。
・状態に合わせて、外部の介護サービスが利用可能。
介護老人保健施設
・退院後、すぐに在宅復帰できない高齢者のための施設。
・入所期間は数カ月程度と短いことが特徴。
・理学療法士や作業療法士による、質の高いリハビリを提供。
グループホーム
・認知症高齢者が5~9人で共同生活を行う施設。
・専門職員のケアを受けながら、できるだけ自立した生活を送ることが目的。
・地域密着型と呼ばれるサービスの1つで、住み慣れた地域で生活できることが魅力。
ケアハウス
・入居条件は60歳以上と幅広い。
・自宅での一人暮らしに不安があったり、家族のサポートが受けられなかったりする場合に利用することが多い。
・経済的な負担が比較的小さいことが特徴。
サービス付き高齢者向け住宅
・あくまでも「住居」として扱われる。
・外出や外泊ができたりと、自由度の高い生活を送れることが魅力。
・「一般型」と「介護型」があり、介護型の場合は職員による介護サービスが受けられる。

介護施設を設計する際の5つのポイント

続いては、介護施設を設計する際の5つのポイントを紹介します。
ポイントを押さえずに介護施設を設計すると、失敗するリスクが上がるため、事前に確認しておきましょう。
介護施設を設計する際のポイントは以下の通りです。
●整備方針を固める
●地域住民や利用者のニーズを把握する
●非常時の対応策の検討をする
●施設運営の見通しを立てる
●介護スタッフが働きやすい設計にする
1つずつ見ていきましょう。

整備方針を固める

利用者の特性や提供するサービスの特徴を踏まえて、適切な間取りや仕様を設計しましょう。
高齢者は、移動手段として車椅子を使うことが予想されます。
そのため、車椅子がすれ違う廊下幅を広めに確保したり、ドアは開けやすいよう開き戸ではなく引き戸を採用したりするのが重要です。

地域住民や利用者のニーズを把握する

安定した集客を目指すためには、地域住民や利用者のニーズを把握しましょう。
できるだけ早くニーズを把握し、設計する際の参考にしてください。
また、高齢者から意見を聞く際は以下に注意しましょう。
●大きな声でゆっくり話す
●アンケートは紙媒体で用意する
●アンケート用紙の文字サイズを大きくする

非常時の対応策の検討をする

地震や火災などの非常事態発生時の、情報伝達方法やスムーズな誘導のための設備の設置、避難場所の確保について検討しましょう。
利用者は車椅子を利用していたり、認知症を患っていたりする場合があります。
自力での避難が難しいことを前提にマニュアルを作成し、入念な避難訓練をすることが重要です。

施設運営の見通しを立てる

日々変動する利用者のニーズを想定しながら、柔軟に対応できる施設運営の見通しを立てましょう。
利用者にとって快適で安全な環境を保ち続けられるよう、維持管理計画も意識する必要があります。
利用者の健康状態に合わせて、具体的な計画を立てるべき項目例は以下の通りです。
食事
・食事量
・栄養バランス
・食事動作、食事姿勢
・誤飲予防
入浴
・身体の清潔維持
・入浴動作
・手すりなどの福祉用具の設置
・転倒予防
排泄
・排泄動作
・便秘
・呼び出しボタンの設置
口腔ケア
・訪問歯科診療の整備
・口腔衛生管理
・摂食嚥下
整容
・洗顔、整髪
・更衣動作
・髭剃り
・爪切り
・義歯の洗浄
機能訓練
・歩行リハビリ
・食事、摂食、嚥下リハビリ
・入浴、排泄リハビリ
・麻痺、拘縮リハビリ
・立ち上がり、寝返り、起き上がりリハビリ
あらかじめ、利用者ニーズを想定したチェックリストなどを作成しておくと良いでしょう。

介護スタッフが働きやすい設計にする

厚生労働省によると、介護スタッフが離職した理由は以下のとおりです。
●「職場の人間関係に問題があったため」
●「結婚・出産・妊娠・育児のため」
●「法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため」
介護スタッフが働きやすい環境を作ることで、離職率が低下し、利用者に対して質の高いサービスが提供できるでしょう。
働きやすい環境を整備する際のポイントは、以下の通りです。
●人間関係を良好にする
●柔軟な働き方を推進する
●スタッフの意見を取り入れる
●テクノロジーを活用する
それでは、具体的に見ていきましょう。

人間関係を良好にする

スタッフ同士がお互いを高め合い、尊重し合えるような雰囲気を作りましょう。
ポジティブな声かけを増やすことで、前向きに働けます。
しかし、過度な親しさは控えるべきです。
利用者第一で、アドバイスやサポートし合い、信頼感を築きましょう。

柔軟な働き方を推進する

「時短勤務を取り入れる」「パートの雇用数を増やす」など、産休・育休明けでも働きやすい環境を整えましょう。
また、希望通りに休日を取れたり、残業を減らしたりすることで、スタッフの働きやすさが向上します。

スタッフの意見を取り入れる

働きやすい環境づくりには、現場をよく知るスタッフの意見を取り入れるのが効果的です。
定期的な面談や意見箱を設置することで、スタッフからの意見を受け入れやすい環境を整えましょう。

テクノロジーを活用する

移動介助機器や見守りセンサーなど、さまざまなニーズに対応したテクノロジーを活用しましょう。
スタッフの安心感や満足度が向上し、働きやすい環境づくりを進められるでしょう。

介護施設の設計事務所を選ぶ際の3つのポイント

介護施設の設計事務所を選ぶ際のポイントを3つのポイントは、以下の通りです。
●コミュニケーションが丁寧
●アフターフォローの有無
●介護施設の設計実績が豊富
設計事務所選びに失敗すると、希望通りの介護施設を設計できません。
また、介護施設の設計・建設のノウハウを持たない事務所は、細かな法律を十分に理解していない可能性があるため、注意しましょう。

コミュニケーションが丁寧

設計士とのコミュニケーションは、介護施設を設計する上で非常に重要です。
●「専門用語ばかり使っていないか」
●「質問をしたら分かりやすく丁寧に答えてくれるか」
●「設計における要望を聞いてくれるか」
以上の点に注意して、設計事務所を選びましょう。

アフターフォローの有無

介護施設を設計・建築したあとは、10年、20年、30年と運営し続けるでしょう。
長期間使用していれば、不具合が生じたり、劣化したりすることは当然です。
そのため、何かトラブルがあった際に、迅速・丁寧にフォローしてくれる事業所を選ぶようにしましょう。
設計事務所を選択する前に、アフターフォローが充実しているかを確認しておくと安心です。

介護施設の設計実績が豊富

設計事務所の中には、介護施設の設計実績が少ない事務所もあります。
介護施設は一般住宅と異なり、バリアフリーや設備基準など細かなルールが存在します。
そのため、介護施設設計に関する法律をしっかり把握している事務所を選ぶようにしましょう。

まとめ

この記事では、介護施設を設計する際のポイントと注意点を解説しました。
介護施設を設計する上で、適切な立地選びは重要なポイントの1つです。
介護施設の設計を検討している方は、創業45年以上の経験とノウハウをもつ「タカオ」にぜひご相談ください。

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