日本における三大都市の一つの名古屋では、土地価格が年々上昇しています。また、開発計画も進んでおり、今後も土地の価値がさらに高まると予想されます。
名古屋で土地を持っており活用できていない方は、土地活用を始めることで、安定した収益を得ることも可能です。
今回の記事では、名古屋での土地活用方法や、名古屋の土地事情も踏まえた土地活用を成功させるためのポイントについて解説します。
ぜひ最後までお読みください。
名古屋での土地活用において知っておくべき基礎知識
名古屋での土地活用において、以下の基礎知識を押さえておきましょう。
◯名古屋の地価は年々上昇している
◯開発計画が進んでいる
◯エリアによって違った特色がある
それぞれの項目について解説します。
名古屋の地価は年々上昇している
名古屋市の地価は1990年代に一度下落しました。しかし2010年以降、現在まで年々上昇を続けています。
地価の上昇は不動産需要が高まっていることを表しており、再開発や人口増加も地価上昇を支える要因です。
名古屋市の人口は1969年に200万人を突破し、その後も増加傾向にあります。2024年10月時点で、230万人を超えました。
人口の増加により、今後も住環境などの需要がさらに高まっていくでしょう。
人口増加に伴い、高齢者人口も大幅に増えています。名古屋市の統計データによると、名古屋市の総人口が約208万人だった1980年には65歳以上の高齢者が約16万人だったのに対して、2023年時点では約57万人と約3.5倍に増えています。
今後は、高齢者に対する需要が見込まれる高齢者住宅などの介護施設なども、名古屋における土地活用の有力な活用方法となるでしょう。
これから土地活用をしたいと考えている方は、安定した収益を得られるチャンスといえます。
〈参考〉：名古屋市「地価公示（住宅地・商業地平均価格）の長期推移（市・区別）」
〈参考〉：名古屋市「人口の推移（市制施行（明治22年）以降）」
〈参考〉：NAGOYAかいごネット「高齢者人口等の状況」
開発計画が進んでいる
名古屋市では2020年6月に「名古屋市都市計画マスタープラン2030」が策定されました。この計画では、2030年を目標に名古屋市全域で、住みやすい都市づくりのために「暮らす」「楽しむ」「創る・働く」の3つの観点での発展を目指すとされています。
実際に名古屋駅周辺では再開発プロジェクトが進んでおり、名鉄バスターミナルビルなど、さまざまな施設の整備が進んでいます。
こうした取り組みにより、今後の名古屋は居住環境やビジネス、商業施設などあらゆる面で利便性が向上し、不動産価値のさらなる上昇が期待できるでしょう。
土地活用を検討するためにも、こうした再開発計画の動向を把握しておくようにしましょう。
〈参考〉：名古屋市「名古屋市都市計画マスタープラン2030」
エリアによって違った特色がある
名古屋市は多彩なエリアがあり、それぞれのエリアで違った特色が見られます。以下にいくつかのエリアをピックアップしたので、土地活用をする際の参考にしてください。
名古屋市昭和区
昭和区は名古屋市の中央付近に位置しており、都市部に近い便利さと自然豊かな環境が共存しています。鶴舞公園の緑地や大学施設などが充実しており、学生やファミリー世帯にも人気です。
商業施設も多く、日常生活において利便性が高いエリアです。
名古屋市東区
東区は江戸時代から続く歴史のある地域で、武家屋敷跡や邸宅などの歴史を感じさせる建造物が点在しています。
中日ドラゴンズの本拠地「バンテリンドーム ナゴヤ」があり、スポーツイベントでもにぎわいを見せています。
名古屋市千種区
千種区は、住宅地や商業地、自然のバランスが整っているエリアです。西武には複合拠点施設「千種アーススクエア」があり、イオンタウンやレストラン、公園などがまとまっています。
また、東部には、都市の緑として国内最大級の広さを誇る「なごや東山の森」があり、自然環境に触れ合える楽しみがあります。
中央部には閑静な住宅街が広がっており、多くの学校も点在しているなど、利便性と住みやすさが両立したエリアといえるでしょう。
名古屋でのおすすめ土地活用アイデア9選
名古屋では、立地によって商業施設や住宅経営などさまざまな需要があり、土地活用の可能性が広がります。
名古屋で土地を所有している方に向けて、おすすめの土地活用アイデアを9つピックアップしたので参考にしてください。
賃貸戸建て住宅
賃貸戸建て住宅は、戸建て住宅を貸し出して家賃収入を得る土地活用方法です。
名古屋市は年々人口が増加しているため、ファミリー層向けに賃貸戸建て住宅の需要が見込めます。
土地が静かなエリアや学校に近い場所にある場合は、早期に入居者が見つかるでしょう。建築するための初期費用はかかるものの、戸建て住宅に住みたいファミリー層は、長期間住み続ける可能性が高いため、安定した収益を長期間得られるメリットがあります。
建築する際には、駐車スペースや収納の広さなど、入居者目線で設計しましょう。
マンション・アパート経営
マンション・アパート経営も名古屋でおすすめの土地活用方法です。特に、学生や単身者が多い地域では、高い需要が見込めます。
マンション・アパート経営のような集合住宅は、複数の部屋を貸し出すため、戸建て住宅よりも高い収益が期待できます。
ただし、共用部分の管理の手間や建築費のコストが多くかかるため、念入りな収支計画を立てましょう。すぐに入居者が見つかればよいですが、すぐに全室埋まらない可能性など、空室リスクも考慮しておきましょう。
宅内の設備や収納を充実させるなど、住みやすい環境を揃えれば、高い入居率を保ちやすくなります。
賃貸併用住宅
賃貸併用住宅は、賃貸住宅の一部を自宅スペースとして使用しながら収益を得る土地活用方法です。マイホームとして使用しながら、賃貸部分の収入でローン返済負担を軽減できます。
また、条件を満たせば不動産投資ローンではなく一般的な住宅ローンを組める場合がある点もメリットです。
アパートやマンションを組む際には、賃貸住宅を建築する際は、不動産投資ローンを組む必要があります。
しかし、賃貸併用住宅では、金融機関によって「自宅部分が50％以上」などの条件を満たせば一般の住宅ローンを使って建築できる場合があるのです。
例えば、建物をフロアで区分けして1階部分を貸し出し、2階に居住するなどして、自宅部分を50％以上に設計するような工夫が必要です。
住宅ローンを組む方が、金利が安いなどの恩恵が受けられる場合があるため、検討している方は一度銀行でシミュレーションすることをおすすめします。
駐車場・コインパーキング
駐車場やコインパーキングは、名古屋市内外問わず定番の土地活用方法です。名古屋は交通機関も充実していますが、人口に対して車の所有台数も多く、駅周辺や商業施設近辺では高い需要が見込めます。
月極駐車場の場合は舗装やライン引き程度ですぐ運用できるほか、コインパーキングに関しても、舗装やライン引きと併せて精算機の設置をすれば始められます。
そのため、賃貸住宅など建物を建築する土地活用よりも、初期費用を抑えて土地活用したい方におすすめです。
ロードサイド店舗
幹線道路沿いに土地を所有している場合は、ロードサイド店舗の土地活用方法も検討するのがよいでしょう。
金融機関から資金調達する方法以外にも、土地に建物を建てて出店希望の企業に貸し出し賃料を得るリースバック方式と、土地を出店希望の企業に貸し出して、土地代の収益を得る事業用定期借地方式があります。
金融機関から資金調達する場合は、どのようなテナントに入ってほしいのか自由に決めやすく、テナントの店舗に合わせた建築を行います。
リースバック方式は、建物の建築資金を出店企業から借り入れられ、賃料のなかから返済していく方法です。
一方で事業用定期借地方式は、土地を貸し出して出店企業がその土地の上に建物を建てて運営するため、建築資金を抑えられます。
契約期間が満了すれば、建物を解体する仕組みになっているため、また別の用途で土地活用を行うことも可能です。
飲食店やドラッグストア、ガソリンスタンドなど、需要が高い企業を誘致すれば、長期間安定した収益を得られるでしょう。
商業施設
商業施設は、コンビニエンスストアからショッピングモールのような大規模な施設までさまざま存在するため、土地の広さに合わせて計画できます。
建物の建築には金融機関からの借り入れのほかにも「ロードサイド店舗」と同じくリースバック方式や事業用定期借地方式も活用できます。
人通りが多い場所に土地を持っている場合は、商業施設として土地活用をすれば、長期間安定した収益を得やすいでしょう。
トランクルーム
トランクルームは、土地内にコンテナのような収納スペースを用意して、貸し出し収入を得る土地活用方法です。
季節用品や趣味の道具などを自宅以外に保管したいと考えている層が主なターゲットとなります。
屋内型と屋外型で必要な設備などが変わり、どちらの方法にするかで初期費用が変わります。
土地の規模やコンテナの大きさ、新品と中古どちらを使うのかによって費用が変動しますが、概ね200〜500万円程度あれば開業可能です。
賃貸住宅など多くの建築費用がかかる土地活用方法よりもコストを抑えて始められます。
コインランドリー
コインランドリー経営は、施設内に洗濯機と乾燥機を設置して利用料を得る土地活用方法です。
単身世帯や共働き世代で、家事の負担を減らしたいと考えている層に需要があります。省スペースで始められるため、商業施設の一角に建っているのを見かけたことのある方もいるでしょう。
最近では、靴の洗濯ができる設備や布団などの、大物の乾燥に適している高性能な乾燥機を設置しているコインランドリーも存在しており、顧客満足度を高める工夫も可能です。
コインランドリー経営は、建物の規模にもよりますが2,200万円〜5,000万円程度かかるといわれており、さらに水道光熱費や清掃費などがかかります。
そのため、利用者が少なく赤字にならないように、所有している土地がコインランドリー経営に適した場所にあるかどうか判断する必要があります。
例えば、顧客が利用しやすいようにスーパーマーケットやコンビニなど、通うことの多い場所の近くなどに土地がある場合には、需要が見込めるでしょう。
介護福祉施設
名古屋市も人口の増加に比例して高齢化が進んでいます。そのため、介護福祉施設も今後需要が大きく見込まれる可能性のある土地活用方法です。
1980年時点での65歳以上の人口が159,131人だったのに対して、2023年には573,894人と約3.6倍まで増加しています。
〈参考〉：NAGOYAかいごネット「高齢者人口等の状況」
老人ホームなどの入居型施設やデイサービス施設など、地域のニーズによって選べます。地域社会に貢献できるため、社会的意義のある土地活用方法といえるでしょう。
名古屋で土地活用を成功させるための5つのポイント
名古屋で土地活用を成功させるには、以下の5つのポイントを押さえておくのがおすすめです。
⚫️土地の条件について確認しておく
⚫️周辺調査を行いニーズ把握しておく
⚫️法規制について確認しておく
⚫️シミュレーションを立てておく
⚫️土地活用のプロに相談する
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
土地の条件について確認しておく
土地活用を成功させるには、所有している土地の立地条件について正確に把握しましょう。具体的には土地の広さや形状、接道状況などは土地の活用方法を左右します。
例えば、広い土地を所有している場合は規模の大きい商業施設やアパート・マンション経営などが可能です。一方で、狭小地だと無理に商業施設やマンション経営などを行うよりも、駐車場やトランクルーム経営が適している場合もあります。
さらに、接道義務を満たしていない土地では建物が建てられないなど、土地の特性は正確に把握しておくと後から気づいて計画が頓挫するリスクを抑えられるでしょう。
周辺調査を行いニーズ把握しておく
土地活用を成功させるには、周辺地域のニーズをできる限り把握しておきましょう。どれだけ自分がよいと思ったアイデアでも、所有している土地周辺では需要がない場合もあります。
実際に土地周辺地域を周って視察したり、競合施設のリサーチやアンケート調査などを行ったりするなどしてニーズ把握を進めましょう。
周辺調査を行いニーズ把握をしたうえで土地活用方法を考えると、成功させられる土地活用方法を見つけやすくなります。
法規制について確認しておく
土地活用をする際には、法規制についても理解しておく必要があります。例えば、用途地域や建ぺい率、容積率などの要素は、土地にどのような規模の建物を建てられるのか決める重要な項目です。
また、名古屋市特有のルールが影響する場合もあるため、自治体で確認するのがおすすめです。
用途地域については自治体の窓口やホームページでも確認ができます。まずは自分の所有している土地がどの用途地域に属しているのか確認する段階から着手するとよいでしょう。
名古屋市では「集約連携型都市構造」の実現に向けて、土地利用計画の見直しが進められています。詳しくは名古屋市のホームページをご覧ください。
〈参考〉：名古屋市「土地の使い方のルールを見直します」
シミュレーションを立てておく
土地活用を行う際には、計画段階で収支計画のシミュレーションも行いましょう。初期費用や運営にかかるコスト、収益見込みを具体的に計算して、リスクを最小限に抑えてから土地活用するのがおすすめです。
例えば、アパート・マンション経営では建築コストを考慮して、家賃収入で回収できるのかを確認します。空室リスクや将来的な修繕費なども見越して慎重な計画を立てましょう。
もし自分で正しい収支計画を立てるのが難しい方は、金融機関などお金に関する専門家に相談してください。
土地活用のプロに相談する
土地活用を成功させるためには土地活用の専門家の力を借りるのも一つの方法です。所有している土地の状況や周辺地域のニーズ、法規制なども考慮して最適な活用方法を提案してもらえます。
特に、名古屋市のような地価や需要が変動しやすいエリアでは、専門知識があった方が土地活用を成功させやすいでしょう。
まとめ
名古屋は地価が上昇しており、開発計画も進んでいるため今後も不動産需要が多く見込まれます。そのため、まだ土地活用できていない方は土地活用を始めるよいタイミングだといえるでしょう。
また、エリアごとの特色を活かした土地活用アイデアを検討すれば、安定した収益を得られる可能性が高まります。
土地活用を成功させるには、事前のニーズ把握や収支計画のシミュレーションが欠かせません。
土地の立地条件や周辺地域のニーズを把握し、法規制に則ったうえで計画を立てれば、リスクを最小限に抑えられます。
タカオでは、名古屋を含めた東海3県での土地活用のアドバイスを行っています。創業して40年以上の経験と実績を活かしてそれぞれの土地に合った最適な活用方法のご提案が可能です。
名古屋で土地活用をお考えの方は、ぜひ一度タカオまでご相談ください。
