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【徹底解説】福祉施設を設計する際に覚えておくべきポイント7選!

【徹底解説】福祉施設を設計する際に覚えておくべきポイント7選!

高齢者向けの福祉施設を設計する際に、どこから手を付けてよいか分からない方も多いのではないでしょうか。高齢者向け福祉施設では、利用者目線に沿った明るい雰囲気の設計にするだけでなく、働くスタッフのことも考えた工夫が必要です。

また、法令に則った設備の設置なども必要になります。今回の記事では、高齢者向けの福祉施設を設計する際に覚えておくべきポイントや、高齢者向け福祉施設の種類と特徴について解説します。

記事をお読みいただくことで、高齢者向け福祉施設の設計で工夫するべきポイントが分かり、利用者が快適に過ごせる環境作りに活かせるでしょう。

ぜひ最後までお読みください。

高齢者向け福祉施設の3つの特徴

高齢者向け福祉施設を設計する際には、まず施設の特徴について理解しておく必要があります。

高齢者向け福祉施設に向いている土地の立地だけでなく、法令によって定められた規模の面積、施設によって設置義務のある設備が決まっているなどが存在します。

それぞれの特徴について詳しく解説するので参考にしてください。

街から離れた落ち着いた土地がベスト

高齢者向け福祉施設では、落ち着いた環境を確保するのがベストです。施設が街に近いと騒がしく感じ、利用者のストレスになる場合があります。

また、交通量が多い街に近い土地は利便性が高いものの、車の交通量も多く事故のリスクも考えられます。

街外れの閑静な立地であれば、利用者が穏やかに過ごせるうえ、来訪する利用者の家族からも安心してもらえるでしょう。

そのため、高齢者向け福祉施設の開業を目指す場合は、建物の設計だけでなく土地の立地についても慎重に検討しましょう。

法令に基づいた規模の面積が必要

高齢者向け福祉施設では、介護保険法に基づいた規模の面積が必要です。居室の広さなどの要件が基準値以下だと、開業の際に自治体から指定事業者として認められないなどのリスクがあります。

その他にも福祉施設の開業にはいくつかの要件が存在します。詳しくは以下の記事で解説しているので、併せてご覧ください。
〈関連記事〉:介護施設の運営に許認可は必須!指定事業者になる流れを解説

定められた設備の設置が必要

高齢者向け福祉施設にはスプリンクラーや手すり、バリアフリー対応のトイレなど、各法令で定められた設備の設置義務があります。災害時の安全確保や日常の転倒リスクの軽減など、利用者が安心して過ごすために必要な設備ばかりです。

また、車椅子の利用者と通行人がぶつからないための広い幅を設ける必要があります。最低でもすれ違える幅(135cm以上)、主要な通路では180cm以上の幅が望ましいとされています。

設計する高齢者向け福祉施設の種類によって、何の設備が必要なのか、事前に調べて把握しておきましょう。

高齢者向け福祉施設を設計する際に覚えておくべき7つのポイント

高齢者向け福祉施設を設計するには、利用者の特性やスタッフの働きやすさ、建築する福祉施設のデザインなどさまざまな面で工夫する必要があります。

主に以下の7つのポイントを押さえておくとよいでしょう。

◯利用者の特性に合わせた設計を行う
◯地域住民に対してヒアリングを行いニーズ把握する
◯働くスタッフのことも考えた設計にする
◯明るい印象の建築デザインを意識する
◯非常事態の対策も想定しておく
◯施設運営に関するコスト面や予算の見通しを行う
◯福祉施設に強い土地活用のプロに相談する

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

利用者の特性に合わせた設計を行う

福祉施設の利用者の身体状況や障がいの程度に応じた設計を行うことが大切です。例えば、認知症を抱えている方が多く想定される場合は、同じ構造の廊下だと混乱を招く可能性があるため色分けを工夫したり、分かりやすいサイン表示で区別したりするなどが挙げられます。

車椅子を使う利用者が多いと想定される場合は、手すりやスロープを適切な位置に設置し、段差も極力作らないようにすると移動しやすくなるでしょう。

視覚や聴覚に不安がある方のためにも、照明の明るさや音響設備にも工夫すると安心感が高まります。

このように利用者の特性をリサーチして、それぞれの弱みを補うような設計を意識すれば、利用者本人やスタッフの負担も減らせます。

地域住民に対してヒアリングを行いニーズ把握する

高齢者向け福祉施設は、地域住民に対してヒアリングを行いニーズ把握したうえで設計する方が運営しやすくなります。

例えば、地域に大きな病院がない場合は、看護師を配置して医療面のサポート体制を少しでも整える必要があるかもしれません。

開業を考えている場所の近くにバスやタクシーが少ないエリアなら、訪問者向けの駐車スペースを用意する必要もあります。

このような細かな要件は、地域住民の意見を聞くことで把握しやすいです。地域住民の意見を聞くには、町内会や自治会の協力を得て、参加者にアンケートや直接意見を募ったり、地域のイベントへの参加をして地域住民と交流を深めて自然に聞き出したりするなどの方法があります。

施設に期待することをヒアリングすれば、どのようなサービスに力を入れるべきか明確になるでしょう。

働くスタッフのことも考えた設計にする

高齢者向け福祉施設を運営するうえで、スタッフが安心して効率的に働ける環境作りが欠かせません。スタッフの動線が複雑だと移動に時間がかかったり、利用者への対応が遅れたりします。

ナースステーションやスタッフルームの位置も、居室や共用スペースから適度な距離にあると、緊急時の対応も迅速化できるでしょう。

また、介護器具や消耗品を保管するスペースが狭いと整理整頓がしにくく、作業効率が下がってしまうため、広くスペースを取って使いやすさを向上させる必要があります。

その他にも、スタッフの休憩エリアをしっかり確保するなどリラックスできる場所を提供する工夫をしましょう。

介護や看護は体力的にも精神的にも負担が大きい仕事です。そのため、スタッフがリラックスできる場所があると、疲労の軽減につながります。

スタッフ目線での設計も意識すると、結果的にモチベーションの低下を防いだり、離職率の低下を抑えたりできるでしょう。

明るい印象の建築デザインを意識する

高齢者向けの福祉施設では、建物全体が暗く閉塞的な雰囲気にならないように工夫することが大切です。

例えば、自然光を取り入れる窓の配置や明るい色の床・壁材を使うと空間は一気に変わります。特に、視力が低下している利用者にとっては、明るくてコントラストがはっきりしている方が動きやすいメリットがあります。

さらに、観葉植物を配置して緑を取り入れれば、利用者の精神的な安らぎにつながるでしょう。

こうした光や色使いの調整により、利用者がポジティブな気持ちで心地よく過ごせる環境を演出できます。

非常事態時の対策も想定しておく

高齢者向け福祉施設では、火災や地震といった非常事態が起こった際の対策が特に重要です。逃げ遅れを防ぐための避難経路を分かりやすく示す案内表示や、非常口を確保しておく必要があります。

また、車椅子利用者でもすぐ逃げられるように、非常口もバリアフリーに対応するなど、身体状況を考慮した設計が重要です。

さらに、職員全員が緊急時の動き方を把握しておくと混乱を防げます。例えば防災マニュアルを作成し、非常時はどのスタッフがどのように動くかなどの役割を決めて、実際に訓練をしてみるなど、運用面での準備も欠かせません。

災害発生時には外部からの支援だけを当てにするのではなく、施設内部で応急処置や避難誘導が完結できる体制を整えておけば、多くの利用者を守れます。

施設運営に関するコスト面や予算の見通しを行う

高齢者向け福祉施設の運営では、建築費だけでなく維持管理費や人件費なども考慮する必要があります。

家賃収入や介護保険報酬でどれだけカバーできるか、計画段階でシミュレーションしましょう。また、水道光熱費や保守点検日、消耗品費なども見逃せません。

特に、スタッフの確保は人件費にも直結するため、雇用計画と収支の見通しを入念に行いましょう。

資金繰りが苦しくなると、十分なサービスを提供できなくなるリスクもあります。補助金制度も活用しながら、開業して軌道に乗るまでの数年間は慎重な資金計画を組みましょう。

福祉施設に強い土地活用のプロに相談する

高齢者向けの福祉施設を設計・運営するには、法規制や資金計画・スタッフ配置など多岐にわたる専門知識が必要です。

自分たちだけで対応すると、見落としや想定外のコスト負担につながる可能性も考えられます。そのため、福祉施設に強い土地活用のプロに相談するのも一つの方法です。

高齢者向け福祉施設の4つの種類

高齢者向け福祉施設といっても、さまざまな種類があり、それぞれ特徴も異なります。主に以下の4つは民間施設の高齢者向け福祉施設の一例です。

◯介護付き有料老人ホーム
◯住宅型有料老人ホーム
◯グループホーム
◯サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

それぞれの種類の特徴について簡単に解説します。

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは、本格的な介護や生活支援をするほか、看護やリハビリのサポートも可能です。

基本的に、要介護型の方が利用できる介護専用型と、自立している方と要介護の方がどちらも利用できる混合型の2種類に分かれています。

毎月定額の利用料が入ってくるため、予算を立てやすいメリットがあります。

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、高齢者の方が過ごしやすいように生活支援などのサービスが付いた老人ホームです。自立している方から要介護の方まで幅広く入居が可能です。

施設内における介護サービスはありませんが、施設内でデイサービスや訪問介護事業所が併設されていることがあります。そちらを契約すると、介護付きの有料老人ホームと同様のサービスが受けられる場合があります。

要介護度がそれほど高くなければ、上記のような介護サービスを上手く活用して快適に過ごせるでしょう。

ただし要介護度が高くなり、手厚い介護サービスを受けようとするとその分費用が高額になったり、別の介護施設への住み替えが必要になったりする場合もあります。

グループホーム

グループホームは、認知症の診断を受け要介護2以上になった方が入居できる施設です。5〜9人の入居者でユニットを作り、専門のスタッフから介護のサポートを受けることが可能です。

グループホームは地域密着型の施設で、入居条件もグループホームがある市町村に住民票を持っている方が対象になります。

入居者にとって住み慣れた土地での生活のためストレスを感じずに過ごしやすいだけでなく、入居者ができることは自分で行ってもらい、認知症の進行をゆるやかにしつつ、介護のケアを受けられるのが特徴です。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、バリアフリー仕様になった高齢者向け賃貸住宅のことです。サ高住には「一般型」と「介護型」の2種類が存在しており、一般型で介護サービスを受ける場合は外部のサービスを利用する必要があります。

介護型の場合は、担当のスタッフが介護を行います。一般型と介護型どちらも安否確認や生活相談サービスは付いているため、万が一のことがあっても安心です。

外出制限などもなく、もしもの際の安心感と自由な暮らしを両立したい高齢者の方におすすめの施設です。

まとめ

高齢者向け福祉施設を設計する際は、利用者の身体的特性や地域のニーズ、スタッフの働きやすさなどさまざまな視点が求められます。

また、どの種類の施設を開業するのか、それぞれの施設や規模に応じた設備の設置義務、法令の確認も欠かせません。

もし、高齢者向け福祉施設の設計や開業に関する計画で悩んでいる方は、福祉施設の運営をサポートしているプロに相談することをおすすめします。

タカオでも、福祉施設を中心とした土地活用などのサポートをしており、定期的な介護事業の運営セミナーの開催なども含めた、高齢者向け福祉施設に関するアドバイスを実施しています。

高齢者向け福祉施設の設計や開業にお悩みの方は、ぜひタカオまでご相談ください。

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