不動産は、ただ持っているだけでは価値を生んでくれません。眠っている土地を活用することは、収益の面だけでなく、税制上も有利。しかし、「どう活用すべきかわからない」という人も多いでしょう。
そこで、土地の活用方法にはどのような方法があるのか、その方法とそれぞれの特徴についてご紹介します。
なぜ土地活用が必要なのか?
不動産を所有していると、固定資産税が課税されます。その額は不動産の立地や規模によって変わりますが、決して安いものではありません。土地・建物の評価額が高ければ課税額も上がり、年間数十万円に達することも。
そこで、考えなくてはならないのが、土地活用です。まずは、土地活用のメリットを見ていきましょう。
メリット1 固定資産税以上に利益を生み出せる
手持ちの土地に何の対策も施さず、放置したままにしておくと、毎年の固定資産税額分がマイナスになるばかり。せっかく活用できる土地があるというのに、これではもったいないです。
ですが、アパートを建てたり、駐車場にして貸し出したりすれば、その収入で固定資産税をまかなえる上、収益が上がることも考えられます。「毎年の税金分くらいの収益が上がればいい」という考えであれば、投資コストやリスクを抑えた活用方法も選択できるでしょう。
メリット2 土地評価が下がり、相続税対策になる
土地は、頻繁に売買するものではありません。貴重な資産として代々相続し、持ち続けている人もいるでしょう。
しかし、相続となると問題になるのが相続税。土地以外にも多くの資産がある場合には、相続税も膨れ上がってしまうため、相続を受けた人が払うことができない場合も。
ところが、土地に共同住宅や店舗などの建物が立っていると、土地の評価額が下がり、建物を含めても相続税を低く抑えることができます。
主な土地活用の方法とその特徴
土地活用の方法は数多くありますが、続いては、よく利用されているものをご紹介しましょう。立地や敷地面積、活用の目的などによって、どの方法を選んだらいいのかは変わってきます。専門家の助言を受けつつご検討ください。
アパート・マンション経営
アパート・マンションの経営は、土地活用としては最もポピュラーな方法。住宅が立っている土地は固定資産税が6分の1まで軽減されるほか、建物に課される税金も優遇されますから、節税効果でいえば最も効果的な手法でしょう。もちろん、相続税の面でも有利です。
ただし、更地にアパート・マンションを建てるとなると、それなりのコストがかかります。また、賃料をいくらに設定できるか、入居者を集められるかは、立地や周辺の環境に大きく左右されます。空室がなかなか埋まらず、収益性が上がらないといったことにならないよう、事前の十分なリサーチが必要です。
等価交換
建設会社などに土地を提供してマンションを建ててもらい、土地の売却分に見合う戸数、もしくは区分の所有権を得られるのが等価交換です。自分で建物を建てる必要がありませんから借入れのリスクがなく、譲渡税の優遇措置を受けられます。
土地と引き替えに所有権を得た住居は、自分たちが住んでもいいですし、賃貸に出して収入源としてもOK。子供が複数人いる場合、人数に応じた戸数を確保しておけば、将来の遺産分割も容易になります。
商業施設
土地の活用方法として、街中であれば商業ビル、郊外のロードサイドならドラッグストアや回転寿司店、コンビニエンスストアなどへの利用が考えられます。
これら、商業施設としての活用には、主に下記のようなメリットがあります。
- 住宅に比べて賃料を高めに設定できる
- 事業用定期借地権を設定することで、期限を定めて土地を貸し出すことができる
ただし、土地の立地や広さといった条件によっては借主を見つけるのが難しいため、借り手と貸し手のマッチングにまつわるノウハウを持つ、専門家のサポートが必要でしょう。
駐車場経営
コストはかけたくないが、土地を放置しておくのももったいない場合によく使われるのが、駐車場経営です。狭小地でも活用できる上、人が集まりやすい立地であれば立体駐車場やエレベーター式にして、駐車可能台数を増やすことも可能。
また、駐車場とは別の用途に転用したい場合に、設備の撤去が容易にできることもポイントです。
ただし、税制面でのメリットが少ないことと、アパート・マンション経営と同じく、どの程度のニーズがあるのかについて事前のリサーチが重要になります。
福祉施設
介護施設やグループホームなどの福祉施設は、地域を問わず需要が高まっています。ある程度の敷地面積は必要ですが、ロードサイドである必要はなく、少々奥まった立地でも活用できます。
土地だけを提供する方法もありますが、福祉施設を運営する事業者側は長期の事業となるため、土地オーナーが建物まで建てた上で、一棟丸ごと借り受ける契約が好まれます。初期投資は大きくなりますが、日常的な管理や小さな修繕は事業者に任せることができ、長期にわたって安定した収益が得られるでしょう。
土地活用する場合の注意点
土地活用をする場合は、まず自身がどういった目的で活用したいのかをはっきりさせておかなくてはなりません。
- リターンが小さくてもいいので初期投資を抑えたい
- コストをかけて収益性の高い活用方法を選びたい
上記のように、考え方はさまざまでしょう。ただ、立地や環境によっては、そうした希望が叶わない場合もあることは、理解しておかなくてはなりません。
そのほか、土地活用にあたっての注意点をいくつか見ていきましょう。
賃貸需要がどれくらいあるか
アパート・マンションでも、商業施設でも、入居者やテナントが存在しなければ、収益を上げることはできません。それは、その土地の立地や周辺環境によって変わるため、土地活用を検討するにあたっては、「土地をどう使うのが効率的なのか」を見極めることが重要です。
安易にアパートを建てたものの空室がなかなか埋まらず、思ったような収益を上げられなかったりしたら本末転倒。土地活用のノウハウを持つ専門家にサポートしてもらい、どのような方法がいいかを検討するのが成功するポイントといえます。
法令・条例による規制はないか
日本には、都市計画法という法律があり、国土全体をいくつかの種類に区分けしています。そして、土地の造成や建築などに関して、区分ごとに規制を設けています。
その中の「市街化調整区域」は、市街化を抑制するエリアとなり、建物を建てることについては最も規制が厳しい区分となりますので、注意が必要です。
そのほか、土地開発や建築に関しては、都道府県や自治体ごとにさまざまな条例が設けられているため、地主だからといって必ずしも思いどおりの建物を建てられるわけではありません。
所有する土地にこうした規制がかけられていないか、確認しておきましょう。
エリアに合った活用方法を見誤ってないか
法律や条令による規制、立地と周辺環境によるニーズの大小――それらを総合的に判断すると、そのエリアにはどんな活用方法がふさわしいのかが見えてきます。そこから大きく外れるような土地活用は、行わないほうがいいでしょう。
マンションオーナーに憧れて建物を建てたとしても、市街地から離れた地域で駅からも遠いとなれば、入居者を集めるところから苦労することになりますし、賃料設定の面でも不利でしょう。その地域に合った活用方法を選ぶことが重要です。
税制面での効果検証をしているか
土地活用の目的としては、収益化のほかに税金対策もあります。土地活用は、税制上のメリットが大きい方法と、それほどでもないものがあります。基本的には固定資産税や相続税が問題になりますが、土地活用の仕方によっては、贈与税や都市計画税、さらには所得税や住民税まで関わってくるでしょう。
これら多様な税制面での優遇措置などを幅広くチェックし、効率のいい方法を選択するためには、公認会計士や税理士など、税に関する専門家への依頼がおすすめです。
土地活用はプロのサポートを得て初めて成功する
ご紹介したとおり、土地の活用方法はさまざま。建物を建てるにしても、アパートやマンション、オフィスビルなど、形態もまちまちです。
そこで肝心なのは、まず自身が土地活用をすることでどういった恩恵を受けたいのか、目的を定めること。その上で、そのエリアに合った活用方法を選んでください。
そこで必要になってくるのは、土地活用にまつわる多くのノウハウを持った、プロの助言を受けることです。土地の立地や法令などによる規制、税制面など、さまざまな観点から検証し、最適な土地活用方法を提案してくれるでしょう。
株式会社タカオでは、岐阜近郊エリアの土地活用サポートにおいて多くの事例を持っています。オーナー様の希望を踏まえて、最適な土地活用の方法をご提案しますので、ぜひお気軽にご相談ください。